冷凍車 中古のこんな活用法
自動車が量産すればするほどメリット全1受できる産業だというのはわかる。
だが背伸びしすぎて無節操な拡大策をとり続けたならば、太りすぎのわが身をもて余して体力を浪費する結果に終わる。
身の丈に合った経営で再建をめざそうとしているのがゴーンのNRPの内容である。
取引先や社員には痛みを伴うけれど、それが株主重視の経営になるなら止むを得ない。
トヨ夕の姿は遠く先を走り、本田にはとうとう捕まってしまった。
しかし今の日産に求められることは、日産らしさがほとばしるようなクルマを出すことと、キャッシュフローの経営ができる体質に転換することである。
言わずもがなではあるが、二位以下は断トツに強い一位の真似をしても、たいていは途中で息切れすることのほうが多い。
「本田」と「日産や三菱」では何か異なるか共にメインバンクである東京三菱銀行が、本田と三菱自動車を合併させようと画策したことがある。
両社の体質や社風からみても、それがうまくいくわけなどあるはずがないことは素人でもわかる。
それでも推し進めようとする大銀行は、考えてみれば恐ろしいことをやる場合がある。
事の始まりは本田に大企業病が忍び寄ったか、急速に業績が悪化したことだった。
わずか数年前のことである。
その当時の本田は三菱のパジェロRVブームの勢いに押され、見る影もないくらい本田らしさがうすれていた。
ところが本田の経営哲学の中には、危機に直面する前に「スピーディなギヤチェンジ」というのがある。
あっというまに本田は元気をとり戻したばかりか、「世界のホンダ」と言われるまでに一級のブランドに仕立て上がった。
フォードの社長ジャックーナッサーがしきりに本田にラブコールを送ったのも、本田のブランドカに魅力を感じたからにほかならない。
しかしどう考えてみても、かつてポンプ車の中に「名車」の誉れ高いクルマがあったかどうか、古いアルバムをめくっても「これ」というのが見つからないのである。
しかし本田は近年、ヒットどころかホームランの連続である。
オデッセイとフィットがそうだ。
ただしこれらが名車とよばれるようになるかどうか、それにはもう少し時間が必要だろう。
本田の短い歴史にも大いに誇れる実績がいくつかあるにはある。
印象深いのは「極限のスピードへの挑戦」という姿勢を貫いていることだ。
断わっておくが、本田はけっして会社ぐるみのスピード狂ではない。
むしろ逆である。
限りない技術の進化を求め、あるいは自動車というものが持っている「危険性」という原罪の追求が、スピードへの挑戦という二律背反になって現れているのである。
二輪車でマン島(英国)TTレースに優勝して一躍ホンダの名を広め、FIレースでもポルシェなど世界の名だたる強豪を蹴散らす快挙を何度も成し遂げている。
あるいはCVCCエンジン(複合渦流調速燃焼式)で、マスキー法排ガス規制値にみごと一番乗りで合格したという偉業もあった。
しかしいくらめくっても、本田からは個別の車種で名車とよぶにふさわしいものがあったとは考えにくい。
少なくとも日産のブルーバード、フェアレディ、スカイラインといった自動車史に残るような名車が本田にあったとは言い難い。
そのような見方に立てば、歴史の違いはあるにしても、本田は日産の足元にも遠く及ばないと言ってよいだろう。
ところがその本田が三菱をかわすどころか、またたく間に日産をもとらえた。
そのギヤチェンジの早さには驚かされる。
その理由は何なのか、会社の勢いが違うと言ってしまえばそれだけの話になるが、もっと突き詰めていくと、ユーザーが本田を日産や三菱とは違ったイメージで見ているという点に気付く。
それはどういうことか。
「車種とかクルマの愛称はどうでもよい。
とにかく本田という会社が好きなのだ」そういうユーザーが多くいるということだ。
とくに若年層になるほど本田ファンが多い。
そして彼らの大半がリピ-ターファンとなって本田から離れない。
いっぽうの日産はどうかを考えてみる必要がある。
「何がなんでも日産車でなければイヤだというのではない。
スカイライン以外のクルマには乗りたくない。
ただそれだけなのだ」日産にはそういうユーザーしかいない。
あとはディーラーと古くからのつき合いでつながっているお客である。
「技術の日産」を売り物にしていた時代には、日産車なら車種を問わないというお客がかなり多くいたものだ。
あの当時と今の日産を比べると、希代の経営者カルロスーゴーンといえども、生半可なCでは、失墜したブランドをよみがえらせるのは困難であろう。
かつて過酷なレースで知られるサファリラリーを四年連続完全制覇したころの日産には、まだまだ会社の勢いだけでなく光るものがあった。
当時はまだ少年であったはずのゴーンだが、それら数多くの日産伝説はすでに彼の頭の中にあるだろう。
ゴーンの肝入りで二〇〇二年にはあの「Z」が戻ってくる。
ただ残念なことは、フェアレディをこよなく愛した当時の日米両国の若者たちも、まもなく年金生活にさしかかろうという年代だ。
彼らのジュニアが「フェアレディ・愛好家クラブ」を再び育ててくれるようになるには、それなりに日産が努力しなければならない。
天下国家よりなぜわが身を案じないのか企業小説の名手、高杉良の『破滅への疾走』(徳間文庫)は、大洋自動車という会社が舞台になっている。
これを読んだ人なら誰でも日産がモデルだとすぐにわかる。
この作品の書き出しは、大洋自動車の代表取締役会長の高瀬英明が、産経連副会長のポストにしがみついていたい気持ちを、滑稽なくらい皮肉った場面から始まっている。
「あと、もう一期二年、高瀬さんには留任して頑張ってもらえますか」そういって電話をかけてきたのは産経連の会長である。
結果を鶴首して待っていた高瀬が受話器を握る手をふるわせながら電話の前で安堵し、平身低頭するところがなんとも情けないし、おかしくなる。
それもそのはず、七十九歳という高齢の高瀬には、ひょっとすれば今期限りで引導を渡されるのではという不安があったからだ。
この小説で言う産経連とは経団連のことであり、高瀬という人物が日産の当時の会長川又克二であるのはすぐ推測できる。
世評では高慢で臆面もないといわれた川又が、はたして電話の前でペコペコお辞儀をしたかどうかは疑わしい。
しかし川又が財界活動に人一倍の執念を燃やしていたのは間違いない。
もともと日産という会社には、天下国家を論じたがる気風がある。
ひきこもり型で、三河モンロー主義は身勝手すぎると批判され続けたトヨタとは正反対だ。
日産の財界ロビー活動は川又だけではない。
石原俊は経済同友会の代表幹事にまで登りつめたし、石原の後継者久米豊も経団連の副会長になっている。
それも豊田章一郎が財界総理ともいえる経団連の会長に就任したのとは一般に受ける印象がかなり違う。
トヨタの場合は国内製造業で断トツの規模と業績を誇り、これ以上は三河にひきこもっていられなくなったため、渋々と経団連会長を引き受けた印象が強い。
それにひきかえ日産の歴代トップたちは、かたちの上では推挙されたようになっていても、どことなく財界の重鎮でありたいという妄執のようなものが見えてくるのは偏見だろうか。
「自社の業績はそっちのけにし、公職や名誉職にうつつを抜かしてよいものか。
そんなことをやっていられる場合かI」こんな気持ちが従業員や株主の一部にはあったはずだ。
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